東京スープとブランケット紀行 対談紀行 2015年秋篇 フォトレポート

2015年10月15日

対談紀行

東京スープとブランケット紀行 対談紀行 2015年秋篇 フォトレポート

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アシスタントアドミニストレーターの齋藤優衣です。
初めての対談紀行ということで、みなさんを受付でお出迎えさせていただきました。
昨日行われた「対談紀行 2015年秋篇」のフォトレポートをお送りします!
撮影は、フォトグラファー中澤 佑介さん。

今回は、メンバーフル出場。初登壇メンバーの緊張した空気が会場に広がりつつゆるやかに始まりました、対談紀行。
6月に行ってきた東京の西の最果て奥多摩(奥多摩湖)リサーチ報告、そして「終焉した土地」へ足を運び、生まれた『と む ら い』のお披露目、そしてご来場頂いた方と『と む ら い』についてディスカッションを行いました。

では早速、対談紀行の様子をレポート!

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まずは、ディレクター羊屋白玉より、このプロジェクトについてのあらましやメンバーの紹介などをしていただきました。
改めて、東京スープとブランケット紀行のはじまりについて、これまでのプロジェクト、そして奥多摩へ足を運んだ経緯について話しました。

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写真の羊屋さんが持っている本は、石川達三さんのルポ小説「日陰の村」。
奥多摩ダムの施工が議会で決まってから、ダムによって小河内村が沈むまでの二十数年間を記録した小説。
都市の生活を支えるために終焉した村に何があったのか、小河内ダムの機構や小河内村についての下調べなどを経て、奥多摩へ向かいました。

そして、本題の奥多摩レポート。
アシスタントディレクターの伊藤馨と幼少期を奥多摩で過ごしたデザイナーの草梛亮が奥多摩の沿革にも触れつつリサーチ報告。

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選りすぐりの100枚の写真をもとに振り返り。
もう既に終わってしまった土地にはたくさんの恵みと、残された記録と新しいなにか次へ進む動きがありました。
時間をおいて改めて写真を眺めると、そういえばこんなことがあったなんて思い返すことが沢山出てくるものですね。
奥多摩湖の波も打たない静かな湖面。身をもって、東京の山深さを知った奥多摩ネイチャートレイル散歩…(あまりにハードで記録した写真があまりなかったため、ここに記しておきます)
お散歩のあとはもちろん、スープもありました!

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我らがスープ隊長、チーフアドミニストレーター宮原清美が奥多摩の美味しい食材と江古田から持ってきた鍋を使った奥多摩スープをしっかりレポート。清美さんの横で、私、齋藤はあの時のスープの味を思い出しておりました。美味しかったのです。

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さて、奥多摩湖を囲む山々の険しさは、この写真からもわかるかとおもいます。
フライヤーの背景にもなった、鳥瞰図作家の村松昭さんの「多摩川散策絵図」を使いながら、奥多摩湖が山深い中にあることを再確認。
東京にもこんな山深いところがあったのです。
この奥多摩フォトレポートは改めてブログでも公開予定ですので、ぜひご覧ください。

そして後半戦は、既に終焉した場所へ赴いて感じた様々の想いを経て、「なくなってしまった人・もの・ことなど」を想う・話す・聞く…場を作る装置として生まれた「とむらい」のお披露目。

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こちらはポスター版の「と む ら い」で、お渡しする時はポスターサイズですが、カットしていただくとA3サイズのマットになって食卓に広げることができます。
今回は来場者の方に実際に手に取ってもらいこの「と む ら い」の使い方を考えていただきました。
また、「と む ら い」のために作品を制作してくださった狩野哲郎さん(「春分」を製作)と高橋つばささん(「夏至」を製作)にもお越しいただき、作品解説をしていただきました。
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この立体的なオブジェが狩野哲郎さん作の「春分」。もともとは家具のパーツであったり、様々なものを組み合わせて出来たもの。先端に見えるのは釣りに使う、浮きです。このオブジェを自由に配置して食卓の風景を彩ってくださいとコメントいただきました。

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この写真からだとちょっと見えにくいのですが、分厚いアクリルが敷かれている作品が高橋つばささん作の「夏至」。青色のゲルインクで制作された絵画作品。インクの色が滲みだした器の痕跡から、「私よりも前にこ こにいた者」の存在を想う食卓として制作されました。

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そしてつい先日収録してきました、「と む ら い 第一回」の映像も初公開。
草梛さんご夫婦のもとへ伺い、「と む ら い」をしてきました。
スープメンバーもこの日初めて見たのですが、とっても素敵な映像に仕上がっており驚きと感動が隠せなかったです。もちろん撮影・編集は杉田協士さん。「と む ら い」のひとつの場合としてみなさんにご紹介しました。

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上映の後は伊藤馨さんと羊屋さんによる「と む ら い」のデモンストレーション。
「とむらい」をしたい人は馨さんのお祖母様。よく好んで召し上がっていた江古田の老舗マザーグースさんのパンとふくみ青果さんの秋の果物、そして過去帳を用意して、小林エリカさん作の「冬至」とともに食卓を彩りました。
中央の大きな器は馨さんのお祖父様が作られたそうです。

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馨さんが過去帳をもとにお祖母様やお祖父様のお話をしながら、梨やぶどうを羊屋さんにおすそ分け。
お祖母様から広がり伊藤家の素敵なお話や、面白いお話を短い時間でしたがお話してくださいました。
悲しみはなく、静謐な時間がながれる場がそのとき出来上がったように思いました。
ご来場いただいた皆さんはどのように感じたでしょうか。
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今回のデモンストレーションや映像をご覧になっていただき、「と む ら い」についてのディスカッションを来場者の方と行いました。
実際に「と む ら い」を見た感想や、あなたならどのように使うか、これがどんな役割を果たすだろうかなどなど、テーブルトークをしました。
なくなった人やモノなどを思う・話す・聞くきっかけとなる新しいツールだと思っていただいた方もいれば、なくなったものなどの他に「職」というのも含まれますか?という質問が出たり、様々な意見や質問が飛び交いました。
まだまだスープメンバーも、この「と む ら い」の使いかたやこのツールをつかってどうしていくかというのは模索中ですが、様々な人に「と む ら い」を使ってもらうことで、積もり積もって言葉であったりなにか輪郭が見えてくるのではないかと思っております。

ご来場いただいた皆様、今回の対談紀行に向けてご協力いただきました皆様どうもありがとうございました!
対談紀行でいただきました貴重なご意見をもとに、これから「と む ら い」をお届けしてまいりますので、どうぞお見逃しなく。

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